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精神科訪問看護におけるクレームとは?内容や対応、予防方法を解説

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患者さんやご家族と訪問看護師の距離が近い精神科訪問看護サービスでは、コミュニケーション不足や訪問看護師の態度がクレームに発展するケースがあります。

では、具体的にクレームになりやすい原因やその予防策、万が一起きてしまった場合の対応策にはどのようなものがあるのでしょうか。

本記事では、精神科訪問看護で起きやすいクレームの内容や発展する可能性のある対応の例と予防の方法、クレームに対応する際の注意点などを具体的に解説します。本記事を読んでクレームにつながりやすいポイントを理解し、事前に対策をしましょう。

精神科訪問看護におけるクレームの内容は?

精神科訪問看護で起きるクレームの内容は、主に以下の4点に分類されます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

期待とそぐわないサービス内容

精神科訪問看護で起きるクレームの一つに、患者さんが「期待にそぐわないサービスを受けた」と感じた場合が挙げられます。

精神科訪問看護のサービス開始時、患者さんの中には大きな期待を抱いている方も少なくありません。精神科訪問看護に対して「自宅で生活をしながら高度な医療措置や看護が提供される」というイメージを持っている方もいるでしょう。

この場合、患者さんの期待と実施できるサービス内容にズレがある場合、患者さんが違和感を感じてクレームに発展してしまいます。

クレームを防ぐためにも、患者さんの期待値を知り、実際のサービス内容とのギャップがあれば埋めておくことが大切です。

利用料金に見合わないサービス内容

患者さんがサービス内容が利用料金に見合わないと感じることも、精神科訪問看護で起きるクレームの一つです。

患者さんとご家族が利用料金を理解していないと、実際の在宅ケアを見て「具体的に何もしてくれていない」や「なぜこのサービスに料金を支払わないといけないのか」といった不満につながる可能性があります。

精神科訪問看護のサービスを開始する際に、患者さんとご家族に在宅ケアの内容と利用料金、契約期間などをはっきりと説明しておくとクレームにつながりにくいでしょう。

訪問看護師の遅刻やスケジュール変更

精神科訪問看護のクレームの一つに、訪問看護師の遅刻やスケジュール変更が頻繁に起こることも挙げられます。

遅刻や頻繁なスケジュールの変更は相手に迷惑がかかる行為です。生活のリズムを乱されると精神状態に影響が及ぶ患者さんもいるでしょう。患者さんとご家族が「スケジュールや生活を乱されている」と感じるとクレームに発展する可能性があります。

電車の遅延や渋滞などを予測したスケジュール管理も大切ですが、万が一遅刻する場合は早めに患者さんへ連絡を入れるようにしましょう。

精神科訪問看護師の業務都合などで訪問時間の変更が頻繁に起こる場合も、事前に患者さんとご家族にきちんと説明を行います。患者さんの生活リズムを理解していることを伝え、相手の生活を尊重していることが伝わるようにすると良いでしょう。

患者さんに寄り添わない訪問看護師の言動

患者さんに寄り添わない言動も、精神科訪問看護のクレームの一つです。

例えば、精神科訪問看護師が「愛想がなく不機嫌だった」「雑に扱われている」などの印象を与えてしまうと、患者さんは「自分に寄り添ってくれていない」と感じ、悲しみを感じたり、訪問看護を苦痛に感じたりしてクレームに発展するでしょう。

訪問看護の現場では、患者さんに「訪問看護師が自分を理解して寄り添ってくれている」と実感してもらう必要があります。この実感が信頼関係の構築につながり、患者さんとの円滑なコミュニケーションを生むことで、より良い在宅ケアへとつながります。

患者さんを訪問する限られた時間の中で、患者さんの気持ちに寄り添った在宅ケアをしていることを態度や言葉できちんと示すようにしましょう。

クレームに発展する可能性がある対応とは?

精神科訪問看護の現場で、クレームに発展する可能性がある対応にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、特に気をつけたい3点を解説します。

日々のコミュニケーション不足

患者さんとの日々のコミュニケーション不足は、クレームに発展する可能性がある対応の一つです。

患者さんが抱く「ケアの内容が予想外だったな」「このケアを増やして欲しいな」などの違和感や不満が蓄積するとクレームへ発展する可能性があります。

このクレームを防ぐには、患者さんと十分なコミュニケーションを取ることが大切です。患者さんに何かを説明する際は「どう思いますか」「何か質問はありますか」など意見を確認して進めるように心がけると、患者さんの違和感や不満を早い段階で消しやすいでしょう。

行き過ぎた看護

行き過ぎた看護の提供も、クレームに発展する可能性がある対応の一つです。

精神科訪問看護師が過剰なアドバイスや過保護な対応を行うと、患者さんやご家族の不安を煽りクレームになる恐れがあります。

患者さんを思う気持ちがあっても、患者さんとご家族が望む在宅ケアを尊重し、サポートする役目を忘れてはいけません。個人的な感情で行き過ぎた看護をしないように注意しましょう。

不適切な距離感

クレームに発展する可能性がある対応の一つに、不適切な距離感も挙げられます。

患者さんと時間を重ねると、自然と距離が近づくでしょう。しかし、親しいあまりに子供を諭すような口調になったり、敬語を使わなくなったりしてしまうと患者さんが不快に感じてクレームに発展するケースもあります。

精神科訪問看護師は、プロの看護師として患者さんの自宅を訪問していることを忘れてはいけません。患者さんに敬意を持ち、常に適切な言動で接するよう心がけましょう。

クレームに対応する際のポイント

精神科訪問看護で発生するクレームの適切な対応はどのようなものなのでしょうか。ここでは、クレーム対応のポイントを4点解説します。

謝罪する

きちんと謝罪をするのは、精神科訪問看護のクレーム対応のポイントの一つです。

まずは、相手に不快な思いをさせて不利益な状況を生んだ事に対して謝罪を行います。誠心誠意謝罪していることが伝わる態度や言葉を選びましょう。

たとえ相手側に非があっても、状況が悪化してしまうためこちら側の言い分や言い訳を通そうとしてはいけません。

傾聴し共感と理解を示す

クレーム対応のポイントの一つとして、傾聴して共感と理解を示すことが挙げられます。

謝罪をしたら、相手をしっかりと傾聴してクレームにつながった原因を探ります。相手の感情が高ぶっている時は冷静さを欠いているため、興奮状態を刺激しないよう穏やかな対応と言葉遣いで傾聴していきましょう。話に共感を示しながら、クレームが起きている背景を理解していることを示しましょう。

具体的な解決策を考える

クレーム対応のポイントの一つに具体的な解決策を考えることも含まれます。

傾聴を行い状況を把握したら、精神科訪問看護師側から解決案の提案を行います。具体的に、いつ・誰が・どのような対応を行う解決策なのかを分かりやすく伝えましょう。

クレームの内容によっては、すぐに解決策を提示できないケースもあります。その際は、返答の期限を明確に設けて対応するよう相手に伝えましょう。

お詫びと感謝を伝える

お詫びと感謝をしっかりと伝えることも、クレーム対応のポイントの一つです。

クレームに対して解決策を提示でき、双方で納得いく結果となった場合、最後にお詫びと感謝の気持ちを伝えましょう。例えば「今後の訪問看護に活かせる勉強になりました」「改善点をご指摘いただき感謝しています」などです。

こちらから感謝の気持ちを伝えると相手も「理解してもらえた」と感じやすく、精神的に落ち着いた状態で会話を終えることができるでしょう。

患者さんの要望全てに応えられない場合の対応

精神科訪問介護の現場で、患者さんの要望全てに応えるのは難しいでしょう。その際、どのように患者さんに伝えれば正しく理解してもらえるのでしょうか。ここでは患者さんへの具体的な対応を3点解説します。

応えることができない理由を説明する

まずは、患者さんの要望に応えることができない理由を明確に説明して現状を理解してもらいます。

例えば「精神科訪問看護の範囲を超えたケアや薬品の使用がある」や「リソースや時間の制約があり実現が難しい」などです。患者さんにきちんと納得してもらえるように、専門用語を分かりやすく解説したり、具体的な例を示したりして説明しましょう。

応えるために努めた取り組みを説明する

次に、患者さんの要望に応えるために努めた取り組みの例を説明しましょう。

精神科訪問看護師が患者さんの要望に応えるためにした努力や検討などは、患者さんの目線からは見えにくいものです。例えば、「他職種と連携して実現を試みた」や「改善案や代替案をいくつか練った」などです。

患者さんが「要望の実現に向けてこんなにも真剣に取り組んでくれた」と感じることで、結果的に実現できなくても状況を受け入れて理解しやすくなるでしょう。

応えられる範囲を説明する

最後に、患者さんの要望に対して、現実的に応えられる範囲を明確にしておきましょう。

精神科訪問看護のリソースや時間は限られているため、まずは患者さんの要望に対してどこまで対応できるかを訪問看護ステーションのスタッフと話し合います。その範囲が明確になったら、患者さんにきちんと理解してもらえるように説明しましょう。

明確な範囲を患者さんが理解すれば、今後の訪問看護に実現可能な要望が持てるようになるでしょう。

クレームを事前に予防するには?

クレームを事前に予防するには、どのようなことに気をつけて在宅ケアをすれば良いのでしょうか。ここでは具体的な例を3点解説します。

患者さんへの対応の統一

患者さんやご家族など相手を選ばずに対応を統一するのは、クレームを予防する方法の一つです。

誰に対しても変わらない言動や対応ができる人は信頼され、安定した信頼関係を築きやすくなります。どのような状況でも誠意を持って接し、丁寧なコミュニケーションをするように心がけましょう。

クレーム対応マニュアルの作成と徹底

クレーム対応マニュアルの作成と徹底も、クレームを事前に予防する方法の一つです。

クレームが起きた際、具体的な対応と次回への改善案を記載したマニュアル作成を行い、定期的な内容の見直しを行いましょう。

発生したクレームの記録と周知

クレームを事前に予防する方法の一つに、発生したクレームの記録と周知も挙げられます。

今後同じクレームを繰り返さないために記録を行い、スタッフ全員に共有するようにしましょう。訪問看護ステーション内で統一した改善案や指導案、再発防止に向けた取り組みなどを学ぶことで、スタッフ一人一人が責任を持って業務を遂行できる環境を目指します。

まとめ

本記事では、精神科訪問看護で起きやすいクレームの内容や発展する可能性のある対応の例と予防の方法、クレームに対応する際の注意点などを解説しました。

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