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精神科訪問看護師へキャリアチェンジする際に知っておくべきことは?精神科訪問看護師になる条件や仕事内容も解説!

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精神科訪問看護師へキャリアチェンジする際に知っておくべきことは?精神科訪問看護師になる条件や仕事内容も解説!

看護師の職務経験を持っている方の中には「看護師の資格を生かしてキャリアチェンジをしたい」と考えたことがある方もいるでしょう。すでに看護師の職務経験がある方は、近年需要が高まりつつある精神科訪問看護師へのキャリアチェンジがおすすめです。

本記事では、精神科訪問看護師になる条件とキャリアチェンジで知っておくべきポイント、精神科訪問看護師に向いている方の特徴を詳しく説明します。精神科訪問看護師へのキャリアチェンジを検討されている方は、本記事を読んで転職のコツや注意すべきポイントを知っておきましょう。

需要が高まる精神科訪問看護師

需要が高まる精神科訪問看護師

精神科訪問看護師は近年需要が高まっている職種の一つです。

厚生労働省が2004年に掲げた「精神保健医療福祉の改革ビジョン」では、精神疾患を持つ患者さんを精神科病棟の病床から地域に移行してケアを進める方針が提唱されました。この方針に基づいたさまざまな施策により、精神科の入院患者数は年々減少しています(※1)。

しかし2017年に1年以上の長期入院をしている精神科の患者数は全国で17万人以上にのぼり、退院が困難な理由の一つに「支援や居住が足りずに十分な地域サービスを利用できていない」が挙げられています(※2)。足りていない地域サービスには精神科訪問看護も含まれており、これからも精神科訪問看護の需要は高まっていくことが期待されているといえます。

※1参考:第90回社会保障審議会障害者部会.「資料2」.“これまでの経緯等について”
※2参考:第90回社会保障審議会障害者部会.「資料2」.“なぜ精神障害にも地域包括ケアが必要か③”

精神科訪問看護師になる条件

精神科訪問看護師になる条件

精神科訪問看護師になるには、看護師または准看護師の資格を持っていることや精神科での看護経験があること、看護経験はないけれど精神科訪問看護に関する研修を終了していることのうちいずれかの条件が必要です。ここではそれぞれの条件を詳しく見ていきましょう。

看護師または准看護師の資格を所持している

精神科訪問看護師になるには、看護師または准看護師の資格を所有していることが条件の一つです。

看護師や准看護師の資格を取得するには、定められた教育を修了し、試験に合格する必要があります。資格を持っていない場合は、患者さんを訪問して看護を行えません。

精神疾患を有する患者さんへの看護経験がある

基本的に精神科訪問看護の求人には看護師や准看護師の資格があれば応募できますが、訪問看護ステーションによって精神科での看護経験を優遇していたり、精神科勤務経験が1年以上あることを応募条件に設定していたりする施設もあります。

これは訪問看護サービスの診療報酬である「精神科訪問看護基本療養費」を訪問看護ステーションが受ける要件に、担当する精神科訪問看護師について「精神疾患を持つ患者さんへの看護について相当の経験を有する」という条件が定められていることが理由の一つです。

この要件上の「相当の経験」とは、主に下記のような内容を指します。

  • 精神疾患を持つ患者さんの訪問看護を1年以上経験している
  • 保健所や精神保険福祉センターなどで精神保健に関する業務を1年以上経験している

精神科での看護経験がない場合は精神科訪問看護に関する研修を修了している

看護師や准看護師の免許は持っているけれど精神科看護の経験がない方は「精神科訪問看護基本療養費算定要件研修」の修了が、精神科訪問看護師として働く条件です。

この研修は精神に疾患を持つ患者さんのアセスメントの方法や、病状悪化の早期発見・危機介入、精神科薬物療法に関する援助などを学んで精神科訪問看護への理解を深めるためのものです。

また精神科訪問看護の現場での多職種連携の必要性を学び、患者さんに対して適切な看護を行えるような実践能力を高めていくことも目的としています。

※参考:厚生労働省.「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」

精神科訪問看護師へのキャリアチェンジで知っておくべきポイント

精神科訪問看護師へのキャリアチェンジを考えている方は、この職種の仕事内容や特徴をあらかじめ理解しておきましょう。ここでは主に5つの知っておきたいポイントを説明します。

精神科訪問看護特有の仕事内容がある

精神科訪問看護師へのキャリアチェンジを考えている方は、まず精神科訪問看護師特有の仕事内容を理解しておきましょう。特有の仕事内容には大きく分けて以下の4つの種類があります。

患者さんとのコミュニケーション

精神科訪問看護特有の仕事内容の一つに、患者さんとのコミュニケーションがあります。

精神に疾患を持つ患者さんの中には、精神状態が優れなかったり服薬の影響があったりしてコミュニケーションが円滑に取れない方も少なくありません。患者さんと会話をしていても返事が曖昧だったり反応が薄かったりすることもあるでしょう。

精神科訪問看護師はどのような状況でも患者さんの精神状態を尊重し、限られた時間の中でできる限りのコミュニケーションを取って、情報収集をしていく必要があります。

患者さんの日常生活のサポート

患者さんの日常生活のサポートも、精神科訪問看護特有の仕事内容です。

精神に疾患を持つ患者さんが自立した生活を送れるように、精神科訪問看護師は患者さんの精神面のケアだけではなく日常生活のサポートも行う必要があります。例えば、入浴や食事、排泄の介助などです。

身だしなみや身の回りの整理整頓が苦手な患者さんに対しては、どのようにしたら身だしなみや身の回りを整える習慣が付くかを、精神科訪問看護師が一緒に考えてサポートしていくこともあります。

患者さんのご家族のサポート

患者さんのご家族のサポートも、精神科訪問看護特有の仕事内容の一つです。患者さんを近い距離で支えているご家族が在宅ケアに感じている悩みや不安を聞き出し、助言などを通して解決していくのも精神科訪問看護師の役割です。患者さんとご家族が訪問看護サービスに納得できるように、必要に応じて在宅ケアの内容や服薬状況を詳しく説明するケースもあるでしょう。精神科訪問看護師は、患者さんだけではなくご家族にも信頼してもらえるように、サポートすることが求められます。

他職種との連携

精神科訪問看護特有の仕事内容には、他職種との連携も欠かせません。

精神科訪問看護はチーム医療です。主治医や保健師、作業療法士、ケアマネージャーなど患者さんのケアに関わるスタッフがスムーズな連携を取りながら、患者さんの在宅ケアの質の向上に向けて伴走します。

精神科訪問看護師が患者さんと医療チームの架け橋的な存在となり、患者さんの病状や懸念事項などの共有を行って、より良い在宅ケアを実現します。

基本的には患者さんに一人で対応する必要がある

精神科訪問看護師は、研修期間を終えたら基本的に一人で患者さんの対応をする必要があるのも、キャリアチェンジの際に知っておきたいポイントの一つです。一人で在宅ケアやアドバイスを行うため、責任感や精神的・肉体的な負担を感じてしまう方もいるでしょう。

しかし必要に応じて上司や先輩スタッフ、同僚、連携している医療チームに相談を行いアドバイスや指示を仰ぎながら対応すると、負担が軽く感じられるでしょう。

資格の取得や研修の受講でキャリアアップできる

精神科訪問看護師は、入職後に資格の取得や研修の受講などでキャリアアップがしやすいのも、キャリアチェンジの際に知っておきたいポイントの一つです。

精神科訪問看護では、精神科にまつわる資格を取得したり研修を受けたりすることで、より専門性が高い知識を持った精神科訪問看護師になれます。さらなるキャリアアップを目指す方は、積極的に挑戦しましょう。一般的に、精神科訪問看護師が持つと仕事に生かしやすい資格には、以下の3つが挙げられます。

  • 精神科認定看護師
  • 認知症ケア指導管理士
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)

他の診療科に比べて医療行為が少ない

精神科訪問看護師のキャリアチェンジの際は、一般病棟の勤務や外来に比べると比較的医療行為が少ないことも知っておきましょう。

精神科訪問看護で比較的医療行為が少ない理由には、精神疾患を持つ患者さんに対する在宅ケアの多くがバイタルサインのチェックや傾聴、コミュニケーションによる観察や服薬管理、日常生活のサポート

などで成り立つことが挙げられます。

そのため近代医療の前線で高度な医療行為を学びたいと思っている方は、精神科訪問看護の仕事内容に物足りなさを感じてしまう可能性があります。

入職後のミスマッチを防ぐためにも、精神科訪問看護の仕事内容が自分がやりたい看護に合っているのか、確認しておくと良いでしょう。

患者さんの症状の悪化により危険な行動が見られることがある

精神科訪問看護の現場では、患者さんの症状が悪化すると、危険行動が見られる可能性があることも知っておきましょう。

精神に疾患を持つ患者さんの精神状態や症状の重さは人それぞれです。患者さんの中には、精神疾患の影響で自己規制が難しい方もいます。

中には精神疾患の症状が悪化すると自傷行為を行ったり、精神科訪問看護師に感情的な言葉をぶつけたりする患者さんに遭遇することもあるでしょう。そのような患者さんの様子を見て、ショックを受けてしまう方もいるかもしれません。

そのため精神科訪問看護師は患者さんの持つ精神疾患の特徴を学び、患者さんが危険行動に至らないような予防ケアをしたり、そのような行動をしている原因を理解したりすることも求められます。

精神科訪問看護師に向いている方の特徴

精神科訪問看護の仕事に向いている方にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは主な特徴を3つ紹介します。

コミュニケーションが好き・得意

精神科訪問看護師に向いている方の特徴の一つに、人とのコミュニケーションが得意な方が挙げられます。

精神科訪問看護は、コミュニケーションを通して患者さんの観察やケアを行うのが主な仕事です。そのためコミュニケーションを取るのが好きだったり得意だったりすると、仕事が苦になりにくいでしょう。

一人ひとりの患者さんに合わせた柔軟な考え方ができる

一人ひとりの患者さんに合わせた柔軟な考え方ができる方も、精神科訪問看護の仕事に向いています。

精神科訪問看護では、患者さんが持つ精神疾患やその病状、在宅ケアで望んでいる生活スタイルはさまざまです。そのため精神科訪問看護師は、患者さん一人ひとりに沿ったケアの方針や接し方を考え、柔軟に対応していく必要があります。

患者さんの理解を深めながら柔軟に在宅ケアを提案・実践していくと「この人は自分のことを分かってくれている」と患者さんが感じ、信頼関係を築きやすくなります。

患者さんと精神科訪問看護師の間にしっかりとした信頼関係があると、訪問看護の仕事をより円滑に行えるでしょう。

患者さんやその家族に対して常に冷静な対応ができる

患者さんやその家族に対して冷静な対応ができる方も、精神科訪問看護師に向いています。

精神科訪問看護の現場では、精神に疾患を持つ患者さんの言動に感情的にならず、相手が何を求めているのかを冷静に判断・対応できる能力が必要です。精神科訪問看護師に対して突発的な言動を取る患者さんの中には、精神疾患の症状や服薬の副作用などに苦しんでいる方もいるでしょう。また患者さんの家族から、患者さんの精神疾患についての悩みを伺う際もあるはずです。

どのような状況でも患者さんやその家族の目線に立って相手を理解し、冷静な対応を取ることが求められます。

まとめ

本記事では精神科訪問看護師になる条件とキャリアチェンジで知っておくべきポイント、精神科訪問看護師に向いている方の特徴を詳しく解説しました。専門性の高い精神科訪問看護は、一人ひとりの患者さんとしっかり向き合える、やりがいのある職種です。ただし一般病棟勤務の看護師とは異なる業務内容もあるため、事前に精神科訪問看護師特有の仕事内容について理解した上で検討するのがおすすめです。

精神科訪問看護へのキャリアチェンジを検討されている方は、精神科訪問看護師募集サイト「ナースセブン」の求人情報もチェックしてみてください。ナースセブンでは主に「訪問看護ステーションALWAYS」のチームと一緒に働ける仲間を募集しています。

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