看護師として働いている方の中には、ライフステージの変化に伴い、働き方を見直す方もいるでしょう。特に子どもができて子育てを始めると、育児と仕事の両立に悩む方もいるのではないでしょうか。
そこでしっかりと子育てをしながら看護師としてのキャリアを続けていきたい方には「訪問看護師」の仕事がおすすめです。
本記事では、訪問看護師の仕事に興味がある子育て中の方や、出産を機にキャリアチェンジを考えている方などに向けて、訪問看護の仕事が子育てと両立しやすい理由やおすすめの働き方、仕事と子育ての両立に当たって確認しておきたいポイントなどを紹介します。本記事を読んで、訪問看護の仕事と子育てをうまく両立させるコツを学びましょう。
訪問看護師になると、比較的仕事と子育ての両立がしやすいといわれています。ここでは両立しやすい主な理由を5つ紹介します。
訪問看護の仕事と子育てを両立しやすい理由の一つに、勤務スケジュールを管理しやすいことが挙げられます。
訪問看護の仕事は患者さんの自宅を訪問するため、基本的に日中の勤務です。また規則的なスケジュールに沿って働くことが多く、訪問看護ステーションによっては土日祝日休みを採用しているケースもあります。そのため子どもの保育園の送迎時間や学校行事などの予定を入れやすく、子育てとの両立がしやすいといわれています。
一般病棟で看護師をしていると、毎回変則的な時間に働くことが基本です。早出や遅出など異なる時間帯のシフトが混在するため、退社時間や勤務曜日がバラバラになり、子育てのスケジュール管理が難しくなりがちです。家族やパートナーと、子どもの送迎スケジュールを調整するなどの手間がかかるケースもあるでしょう。
直行や直帰ができるのも、訪問看護の仕事と子育てを両立しやすい理由の一つです。
勤務する訪問看護ステーションによって差はありますが、訪問看護師は患者さんの自宅へ直行したり、勤務終了後に直帰できたりする場合があります。通勤時間を短縮できるため、子どもの送迎などもしやすく、仕事と子育ての両立がしやすいでしょう。
訪問看護師には所属する訪問看護ステーションから、タブレット端末や専用の携帯電話が支給される場合があります。そのため訪問看護ステーションに出勤しなくても、自宅や出先から担当する患者さんの情報や在宅ケアの内容を確認したり、患者さんの訪問記録を入力したりできます。訪問看護ではこのように、効率良く働けるのも魅力です。
一般病棟と比較すると残業時間が少ないことも、訪問看護の仕事と子育てを両立しやすい理由の一つです(※)。
訪問看護は、基本的に残業が少なめです。患者さんの容体が急変したときの対応や、提出を急ぐ書類の作成による残業などはありますが、一般病棟の看護師の残業時間と比較すると、拘束時間は少なめでしょう。
そのため子どものお迎えに遅れる心配が少なく、夜に子どもと過ごす時間も確保しやすいです。
※参考:日本看護協会 医療政策部.「2021 年 看護職員実態調査」
訪問看護の仕事と子育てを両立しやすい理由の一つに、夜間の勤務がほとんどないことも挙げられます。
訪問看護は基本的に、患者さんの自宅を日中に訪問して在宅ケアを行うので、夜勤がありません。そのため夜間は子育てに集中しやすいでしょう。
訪問看護ステーションによっては、24時間体制のサービスを提供している施設やオンコール体制を採用している施設もあります。夜勤やオンコールの対応を避けて子どもとの時間を優先したい方は、入職前に夜勤の有無を確認しておくと良いです。
子連れ出勤や中抜けが可能な施設があるのも、訪問看護の仕事と子育てを両立しやすい理由の一つです。
訪問看護ステーションによって異なりますが、保育園完備の施設や訪問看護の研修時に子どもの同伴が可能な施設、万が一子どもを預けられなかった際は子連れで出勤が可能な施設など、子育て中の方に柔軟な対応をしてくれる訪問看護ステーションもあります。
また「中抜け」と呼ばれる、時間休の取得が可能な訪問看護ステーションもあります。中抜けを利用すれば、子どもの参観日や面談、学校行事などで数時間だけ仕事を抜けることが可能です。
子どもの成長を見逃すことなく仕事と子育てを両立したい方は、中抜けや時間休を取りやすい訪問看護ステーションに入職すると良いでしょう。
子育て中の訪問看護師におすすめの働き方には、時短勤務とパートタイム勤務の2つがあります。ここではそれぞれの働き方を詳しく見ていきましょう。
短時間勤務制度(時短勤務)は厚生労働省によって定められた「所定労働時間の短縮措置」と呼ばれる制度で、どの事業所にも導入が義務付けられている制度です。
時短勤務の制度は、一日の所定労働時間が原則6時間よりも長く、3歳未満の子どもを育てている方が適用対象となります。時短勤務をする際に満たす必要がある他の条件は以下の通りです。
労使協定の適用除外に該当するケースの具体例は、入職してから1年未満の場合や1週間の所定労働日数が2日以下の場合、時短制度の適用が難しい業務に従事している場合などが挙げられます。
時短勤務が難しい業務に従事している方の場合、事業主は代替措置として以下のいずれかの措置を講じなければなりません。
時短勤務の条件に該当する方は積極的に制度を利用し、仕事と子育ての両立をかなえましょう。
※参考:厚生労働省.「育児・介護休業法のあらまし」.“Ⅸ-5 所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)”
パートタイム勤務も子育て中の訪問看護師におすすめの働き方の一つです。
パートタイム勤務を選ぶと、自分で勤務時間を決められます。訪問看護ステーションによって差はありますが、パートタイム勤務であれば夜間のオンコール対応をしなくて済むケースもあるでしょう。
訪問看護師の仕事をしたいけれど、子どもがまだ小さい方や子育てに十分な時間を取りたい方には、パートタイム勤務がおすすめです。
訪問看護の仕事と子育てを両立するには、事前にどのようなことを確認しておけば良いのでしょうか。ここでは事前に確認しておきたいポイントを5つ紹介します。
訪問看護の仕事と子育てを両立するには、事前に勤務形態を確認しておくのがポイントの一つです。
訪問看護の仕事をしながら子どもの保育園の送迎をしたい方は、勤務の開始・終了時間をあらかじめ確認しておきましょう。入職したい訪問看護ステーションの勤務開始時間が早いと子どもを送れなかったり、勤務終了時間が遅いと夕方のお迎えに間に合わなかったりして、家族やパートナーの助けが必要になってしまいます。
訪問看護の仕事と子育てをうまく両立するためにも、時間に無理が生じないような勤務形態の訪問看護ステーションを選んで入職すると良いです。
オンコール対応があるかどうかも、訪問看護の仕事と子育てを両立するために確認したいポイントの一つです。
訪問看護のオンコール対応では、患者さんやその家族から要請があれば、深夜でも自宅に訪問する必要があります。
子どもが小さくて夜間に家を離れるのが不安な方や、万が一オンコール対応になった際に家族やパートナーの協力を得るのが難しい方は、入職する訪問看護ステーションのオンコール対応の有無を確認しておくのがおすすめです。
訪問看護の仕事と子育てを両立するには、時間外労働時間があるかどうかも確認しておきたいポイントです。
給与明細に「固定残業代」が含まれている場合は、残業があると予測できるでしょう。また訪問看護ステーションによって残業の有無や程度に差があるため、事前に平均的な残業時間を問い合わせておくと良いです。
訪問看護の残業に左右されずに子どもとの時間を優先したい方は、固定時間制で残業がほとんどない訪問看護ステーションを選びましょう。
訪問看護の仕事と子育てを両立するには、研修制度が整っているかどうかも確認しておきましょう。
出産や育児休暇などで訪問看護の仕事にブランクがあると、技術や知識の面の遅れを不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
訪問看護ステーションによって、業務の同行研修やフォローアップ体制は異なります。研修制度が手厚い事業所かどうか、事前に聞いておくのがおすすめです。
子育て経験があるスタッフが在籍しているかどうかも、訪問看護の仕事と子育てを両立するために確認しておきたいポイントの一つです。
小さい子どもは急な体調不良で保育園や学校を早退したり、欠席したりするケースがあります。訪問看護ステーションに子育ての経験があるスタッフが在籍していると、このような状況でも仕事の欠勤や早退への理解を得やすいでしょう。
また職場に子育て経験がある先輩ママが在籍していると、子育ての悩みなども打ち明けやすいのもメリットです。
現在子育て中の方や、子どもができたことを機にキャリアチェンジを考えている方に、訪問看護の仕事はおすすめです。残業が比較的少なく、勤務時間のコントロールがしやすいため、仕事と子育ての時間を両方確保できるはずです。訪問看護ステーションを探す際は、勤務時間やオンコール対応の有無などを事前に確認しましょう。
看護の経験を生かしてより自分に合った働き方を見つけたい方は、ぜひ精神科訪問看護師募集サイト「ナースセブン」をご覧ください。
ナースセブンでは、主に「訪問看護ステーションALWAYS」で訪問看護の仕事に携わるメンバーを募集しています。先輩スタッフがしっかりと指導してくれるので、訪問看護経験がない方でも働ける環境です。基本的に夜間のオンコール対応はないため、子どもとの時間を大切にしながら働きたい方にもおすすめです。