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うつ病の看護で看護師が行うこととは?うつ病の症状や看護の注意点を解説

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厚生労働省によると、何らかの精神疾患を有する患者数は、2002年から2017年の15年間で約160万人増えています(※)。患者が増加傾向にある病気の一つが、うつ病をはじめとした気分障害です。外来患者数の推移を見ると、気分障害の患者数は15年間で約1.8倍に増えています。この増加割合は、高齢者に多い認知症(アルツハイマー病)に次ぐ数字です。

うつ病の人の増加に伴って、心の病気や症状をケアする精神科看護の重要性も高まっています。本記事ではうつ病の主な症状や、うつ病看護の原則、うつ病の人の看護で看護師がしなければならないことについて解説します。

※参考:厚生労働省. 「第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」P3-4

うつ病の主な症状

うつ病の症状と現われ方はさまざまです。また軽症、中等症、重症など、うつ病の重症度も患者によって違います。うつ病の人の看護では、患者一人ひとりとじっくり向き合って、症状に合わせたケアを提供する必要があります。

厚生労働省のうつ対策推進方策マニュアルによると、うつ病の基本的な症状は強い抑うつ気分、興味や喜びの喪失、食欲の障害、睡眠の障害、精神運動の障害(制止または焦燥)、疲れやすさ、気力の減退、強い罪責感、思考力や集中力の低下、死への思いなどです(※)。患者によっては、なんとなく体調が悪いといった不定愁訴(ふていしゅうそ)などの身体症状や、被害妄想などの精神症状が出る場合もあります。

うつ病の治療は、主要な症状である抑うつ(憂うつ感)を和らげるための抗うつ薬や、不安感が強い人向けの抗不安薬など、薬物療法が中心です。しかしうつ病の原因の一つであるストレスを緩和するには、患者との日常的なコミュニケーションも大切になります。またうつ病の人に多く見られる、自分を責めるような考え方を改善するため、身近にいる人のサポートが欠かせません。

うつ病の看護で大切なのは、患者と信頼関係を築き、相互にコミュニケーションを取れる状態を維持することです。また気分の落ち込みや否定的な考えを和らげるための働きかけも必要になります。うつ病の看護に従事する人は、日本うつ病学会のうつ病看護ガイドラインなどを参考にして、うつ病看護の原則を学びましょう。

※参考:厚生労働省. 「うつ対策推進方策マニュアル」. “2.うつ病を知る(1)うつ病の一般的症状”

うつ病看護で看護師がしなければならないこと

うつ病看護で看護師が主にしなければならないことをご紹介します。日本うつ病学会によると、うつ病看護の原則は6つあります(※1)。

● 患者との治療的相互関係を構築する
● 安全な環境を提供し、自殺を予防する
● セルフケアを支援する
● 自尊心の低下を改善し、自己肯定感を高める
● 社会的相互関係の維持・獲得を支援する
● 生活の再構築を支援する

うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちに罹るとされている病気です(※2)。精神科看護の現場では、うつ病の患者と接する機会も多くあります。看護師として働いている人だけでなく将来精神科看護の仕事をしたい人も、うつ病看護で看護師がしなければならないことを学びましょう。

※1参考:日本うつ病学会. 「うつ病看護ガイドライン」P5-6

※2参考:厚生労働省. 「うつ病」. “うつ病とは”

患者との治療的相互関係を構築する

うつ病の治療では、医師や看護師が一方的にケアを提供するのではなく、患者の側からも歩み寄る相互関係を築く必要があります。信頼関係に基づいた相互関係の構築に大切なのが、看護師によるコミュニケーションです。

うつ病の人と接するときは、常に穏やかで落ち着いた口調を意識しましょう。患者の話は積極的に耳を傾け、共感する姿勢を示すことも信頼関係の構築に役立つとされています。逆に驚きや不信など、患者を刺激しかねない感情表現は避けることが大切です。

安全な環境を提供し、自殺を予防する

うつ病看護では、安全な環境を提供し、自殺の予防が必要です。うつ病の人は、症状の悪化に伴って希死念慮や自殺念慮を示すことがあります。患者がそのような念慮にとらわれずに過ごせる環境づくりに取り組み、危険物を取り除くなど自殺や自傷行為の予防対策を取る必要があります。

セルフケアを支援する

うつ病看護では、患者のセルフケアの支援も必要です。うつ病は抑うつ気分が続くため、身の回りのセルフケアが苦手な人もいます。患者の症状に合わせ、尊厳やプライバシーを守りながらセルフケアの介助を行いましょう。

看護師が全て介助するのではなく、患者の回復段階に応じて徐々に目標を立て、セルフケアを自分で行えるようになる支援が大切です。特に症状が軽症から中等症で、本人に判断能力がある場合は、看護師がサポートしながら活動レベルを上げていきます。ただし、うつが重度のときは休息が必要なため、看護師がセルフケアを代行しましょう。

自尊心の低下を改善し、自己肯定感を高める

看護師の大切な役割の一つが、うつ病の人の自尊心の低下を改善し、自己肯定感(自己効力感)を高めることです。うつ病の患者は否定的な思考に陥りやすく、自分に価値がないという自己否定感や罪責感、羞恥心などの感情にとらわれる人もいます。

看護師は患者への働きかけを通じて、自己肯定感を高め、否定的な思考から抜け出すサポートをする役割があります。また患者の家族や周囲の人を巻き込み、肯定的なフィードバック(患者の良い面に着目し、褒める)をするように促すのも看護師の仕事です。

社会的相互関係の維持・獲得を支援する

うつ病看護では、患者の社会的相互関係の維持・獲得支援も必要です。うつ病の患者の中には、否定的な思考や絶望感、無力感の影響により、他者とのコミュニケーションが難しくなる人もいます。そこで看護師はコミュニケーション能力の回復のため、以下のような働きかけをしましょう。

● 患者の話を積極的に傾聴し、なるべく尊重する
● 患者のペースに合わせながら、1日に何度か短時間の接触をする
● 患者が話しやすいよう、一般的な話題や日常的な話題を選択する
● 1対1の会話からはじめ、徐々にグループ会話へ活動の幅を広げる
● 患者にとって心理的な負担が少ない状況を選び、ロールプレイングをする

将来的に社会復帰を実現する上でも、社会生活を送る能力の維持・獲得は欠かせません。精神科看護師を目指す人は、相手の意見を尊重しながら自身の意見を伝えるようになるアサーション・トレーニングなど、コミュニケーションスキルの向上につながるトレーニング方法を身に付けることも大切です。

生活の再構築を支援する

うつ病の症状が和らぐにつれて、患者は自分の生活に関して心配するようになります。例えば、薬を飲みながら仕事や学業を続けられるのか、社会復帰は可能なのかといったような問題です。生活面の心配が症状の悪化につながらないよう、看護師は患者の生活面の困りごとの解決をサポートする必要があります。

うつ病の看護に携わりたい人は、以上の原則を踏まえて医師や家族、周囲の人と連携しながら患者にとって適切なケアを提供していくことが大切です。

うつ病看護の原則や看護師がすべきことを知ろう!

うつ病は日本人の約15人に1人が罹るとされる、ありふれた精神疾患の一つです。精神科看護の現場で働く場合は、うつ病の人とのコミュニケーションやケア方法を知っておく必要があります。

うつ病の治療は薬物療法がメインですが、患者と身近に接する看護師の役割も欠かせません。患者と信頼関係を構築するだけでなく、患者が快適に過ごせる環境づくりや身の回りのセルフケアの支援、自己肯定感を高めるための働きかけなども大切な仕事の一部です。うつ病の症状や看護における注意点を知って、精神科看護の仕事に活かしましょう。

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