ナースセブン

精神疾患になる要因を4つに分けて解説!医療機関受診の目安や治療方法も紹介

- column -
  1. Home
  2. /
  3. コラムTOP
  4. /
  5. 精神科疾患
  6. /
  7. 精神疾患になる要因を4つに分けて解説!医療機関受診の目安や治療方法も紹介
精神疾患になる要因を4つに分けて解説!医療機関受診の目安や治療方法も紹介

精神疾患は、疾病や傷疾と異なり症状が目に見えにくい病気です。そのため精神疾患を持つ患者さんは周囲の理解を得るのが難しく、自分で問題を抱え込んで医療機関の受診が遅れてしまうケースもあるかもしれません。

患者さんが精神疾患を発症するに至った要因は大きく分けて4つあり、そのどれもが医師による適切な診断や治療が必要です。患者さんの脳の機能や神経伝達物質のバランスに乱れが生じている可能性もあるため、早めに治療を開始して症状の悪化を防ぐ必要があります。

本記事では、精神疾患の4つの要因とその診断基準や診断方法、医療機関を受診する目安や具体的な治療の方法などを紹介します。本記事を読んで、精神疾患に関する適切な知識を学びましょう。

精神疾患とは

精神疾患とは

精神疾患とは、患者さんの感情や思考、行動に特徴的な症状がみられる精神の病気です。

精神疾患による症状は患者さんによってさまざまですが、一般的に幻覚や妄想、幻聴などが起き、人や社会と関わることが苦手になる方も少なくありません。また精神疾患は適切な治療が遅れると症状が悪化し、自傷や周囲への暴力行為、社会的孤立などにつながってしまう可能性もあります。

代表的な精神疾患に、統合失調症、うつなどの気分障害、てんかん、アルコールや薬物依存症などが挙げられます。

精神疾患の原因を4つに大分して解説

精神疾患の要因を大きく4つに分けると、心理的・遺伝的・身体的・社会的に分類されます。患者さんが精神疾患を発症する要因はさまざまで、複数の要因が相互に影響しあっていることも少なくありません。

ここでは精神疾患の主な要因4つを詳しく見ていきましょう。

心理的な要因

精神疾患を発症する原因の一つは心理的な要因です。

例えば、人間関係や経済的な問題を抱えていたり、過去に受けたいじめなどの精神的なダメージによるトラウマを抱えていたりする方もいるでしょう。

過度のストレスや心理的なトラウマがあると、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)のリスクが高まり、精神疾患を発症する要因になってしまいます。

またストレスや心理的なトラウマを感じたときに「どうにか対処しよう」と葛藤したり、不安な気持ちを抱えたまま過ごしたりすると、精神疾患の発症の要因となることもあるため注意しましょう。

遺伝的な要因

遺伝的な要因も精神疾患の原因の一つです。

例えば祖父母や両親など近しい親族が、統合失調症や気分障害などを持っていると子どもに遺伝する可能性があります。

精神疾患の遺伝子的な要因は医学的にはっきりと解明されていませんが、遺伝子の変異が神経伝達物質のバランスや脳の働きに影響を与え、発症につながると考えられています。

そのため精神疾患の要因を探る際は、患者さんの親族に精神疾患を持つ方がいるかどうかも把握しておくと良いでしょう。

身体的な要因

身体的な要因も精神疾患の発症につながる原因の一つです。

精神疾患を発症した方の脳の構造や機能は、健康な方の脳と異なっています。そのため脳の構造や機能の差異が身体的な要因につながり、精神疾患の発症に関係するといわれています。

また患者さんが膠原病や脳血管障害、甲状腺機能低下症などの病気を患っていると、脳の構造や機能に異常が生じ、精神疾患を併発するケースもあります。脳梗塞で倒れた患者さんの脳の構造が病気により変化した結果、統合失調症などの精神疾患を発症した例もあります。

社会的な要因

社会的な要因も精神疾患の原因の一つです。

患者さんが学校や職場などの集団生活や家庭環境の中で、過度のストレスに晒されると、適応障害や不安障害、アルコール依存症などの精神疾患を発症してしまうことがあります。

家族からの虐待や学校でのいじめ、職場でのパワハラなどの人間関係の問題や、勉強や仕事内容のストレスなども精神疾患の発症につながる大きな要因です。

精神疾患の診断基準について

精神疾患の診断基準について

一般的に、精神疾患の診断には世界的に認められている「ICD-10」や「DSM-5」の基準が使用されています。ここではそれぞれの基準の内容を詳しく見ていきましょう。

世界保健機関(WHO)が定める「ICD-10」

精神疾患の診断基準の一つに、世界保健機関が作成した「ICD-10」があります。

ICDとは「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)の略称で、日本国内で一般的に使用されているものは2013年版のICD-10です。

ICD-10には精神疾患だけではなく、身体を含むさまざまな疾患の診断基準が定められており、統計法に基づいた統計調査や医療機関での診療録の管理などに活用されています。

※参考:厚生労働省.「疾病、傷害及び死因の統計分類」,(参照2024-06-12).

アメリカ精神医学会が定める「DSM-5」

精神疾患の診断基準には、アメリカ精神医学界が定めている「DSM-5」もあります。

DSMとは「精神疾患の診断・統計マニュアル」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の略称で、世界共通の診断基準として用いられています。日本国内で一般的に使用されているものは2013年版のDSM-5です。

DSM-5では精神疾患が22個のカテゴリに分類されており、その中にさらに細かい症状別の分類があります。精神科医の診断をサポートするだけではなく、患者さんの具体的な治療計画につなげていくための判断基準として使用されています。

精神疾患の診断方法

精神疾患の診断方法には具体的にどのような方法があるのでしょうか。ここでは主な方法をいくつか紹介します。

問診

精神疾患の診断方法では一般的に問診を行います。

問診とは、患者さんの現在の症状や不調を感じ始めたきっかけや、過去に患った病気や大きな怪我などの既往歴を医師が質問を通じて聞き出していくことです。医師は、初回の問診の際に患者さんの親族に精神疾患の方がいるかや、患者さんの現在の生活状況や生活習慣、抱えている悩みや不安などの情報も積極的に収集します。

問診を通じて精神疾患の発症の要因になりそうな情報を集めたら、精神疾患名の診断や患者さんの治療方針を立てる際の参考として活用していきます。

頭部CTやMRI、血液検査

患者さんの頭部のCTやMRI検査、血液検査なども精神疾患の診断方法の一つです。

精神疾患名やその症状は多岐に渡り似ているものも多くあります。そのため、必要に応じて患者さんの精密検査や血液検査を行って総合的に診断を行います。例えば、脳腫瘍やアルツハイマー型認知症による精神障害などは、頭部CTやMRIの検査で脳の状態をチェックすると診断につながりやすいです。

また通院している患者さんの精神疾患の症状の改善が見込めなかったり、症状が悪化してしまったりする場合にも、精密検査や血液検査を行い、より詳しい脳の状態や血流の状態を調べることがあります。

医療機関を受診する目安

「もしかしたら精神疾患があるかもしれない」と感じてから医療機関を受診するに至るまでには、どのような体のサインや症状を目安とすれば良いのでしょうか。

精神疾患は心の病気のため、患者さんの症状が悪化するまで周囲が気付かないケースもあります。もしも自分や家族など周りの方に次のような症状がある場合は、精神疾患を疑い、医療機関の受診を検討しましょう。

  • 睡眠障害があり眠れない
  • 食欲不振が2週間以上続いている
  • 気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続いている
  • 震え、痺れ、目眩などの体の不調がある
  • 自分の命を自ら絶ちたい感情がある
  • 集中力や思考力が低下して日常生活に支障が出ている

精神疾患の治療方法

精神疾患の治療方法には医療機関に通う方法と精神科訪問看護の在宅ケアを活用する方法の2通りがあります。ここではそれぞれの治療方法の特徴を見ていきましょう。

精神科や心療内科へ定期的に通院

精神疾患を治療するには精神科や心療内科などの医療機関に定期的に通院する方法があります。

厳密には、気分障害などの精神的な症状が現れている精神障害の治療は精神科、ストレスによる病気や体の不調などは心療内科、頭痛や目眩など神経系に起こる異常を治療するには神経内科を受診する必要があります。

さまざまな症状が現れていてどの医療機関を受診すれば良いか分からない場合は、地域の精神保健福祉センターなどに相談して受診先の指示を仰ぐと良いでしょう。

精神科訪問看護を利用する方法も

精神科訪問看護を利用するのも、精神疾患の治療方法の一つです。

精神科訪問看護とは、医師が患者さんの症状の治療に必要だと認めて「精神科訪問看護指示書」を交付した際に使用できる在宅ケアサービスです。

精神科訪問看護では、訪問看護師などの医療従事者が患者さんの自宅を直接訪問して、服薬の管理や相談、日常生活のサポートから社会資源の活用提案などさまざまなサービスを提供します。精神科訪問看護は公的医療保険・介護保険が適用できるので、患者さんが1~3割の自己負担で利用できるのも特徴です。

また精神科訪問看護は、患者さんが住み慣れた家で医療ケアができるので、精神的に負担の少ない環境で日々の治療ができることも大きなメリットです。精神状態が悪化して外出が困難になってしまった方や、高齢で定期的な通院が難しい方などでも利用できます。

精神科訪問看護では、患者さんだけではなく患者さんを支えているご家族や同居している方のサポートも行っています。そのため患者さんとご家族が訪問看護師と信頼関係を築きながら、在宅ケアができるでしょう。

まとめ

本記事では、精神疾患の主な要因4つとその診断基準や診断方法、医療機関を受診する目安や具体的な治療の方法などを紹介しました。

精神疾患を持つ患者さんの治療方法として近年需要が高まっている、精神科訪問看護師への転職を考えている方は、精神科訪問看護師募集サイト「ナースセブン」をチェックしましょう。

ナースセブンでは主に精神科訪問看護に特化した「訪問看護ステーションALWAYS」の一員を募集しています。精神科訪問看護師に興味がある方や看護師の資格を生かしてキャリアアップをしたい方は、ぜひ一度お問い合わせください。

精神科訪問看護ステーションALWAYSで一緒に働きませんか?
精神科訪問看護ステーションALWAYS(オールウェイズ)です。
精神病棟勤務経験者・訪問看護経験者を優遇します。
訪問看護経験がなくても大丈夫です。一から丁寧に指導致します。
CONTACTお問い合わせ
ナースセブンをご覧いただき精神科訪問看護について、興味を持っていただいた方は、下記よりお問い合わせください。
応募はもちろんのこと電話でのご質問にも対応いたします。
PAGE TOP