ナースセブン

精神科の看護師に向いている人とは?やりがいや役割、仕事内容を解説

- column -
  1. Home
  2. /
  3. コラムTOP
  4. /
  5. 訪問看護
  6. /
  7. 精神科の看護師に向いている人とは?やりがいや役割、仕事内容を解説
精神科の看護師に向いている人とは?やりがいや役割、仕事内容を解説

看護師が活躍する場面は数多くあります。同じ看護師であっても診療科によって向いている人の特徴や仕事内容はさまざまです。本記事では、精神科の看護師に向いている人の特徴ややりがい、仕事内容、精神科の看護師に求められるスキルなどを紹介します。

精神科の看護師に向いている人の6つの特徴

精神科の看護師に向いている人の6つの特徴

精神科の看護師に向いている人の特徴は、次の6つが挙げられます。

・相手と適切な距離感を取れる
・相手を尊重できる
・コミュニケーションを取るのが好き
・タフな精神を持っている
・没頭できる趣味を持っている
・過度に自分を犠牲にしない

1. 相手と適切な距離感を取れる

1つ目は、相手と適切な距離感を取れることです。精神科の看護師は患者とコミュニケーションを取る場面が多いです。しかし、話をしっかり聞こうと対応しても、患者によっては興奮したり看護師に依存したりといった傾向が表れるかもしれません。このような状態を防ぐために、精神科の看護師には相手との距離感を適切に取って冷静に患者の状態を分析できる能力が求められます。

2. 相手を尊重できる

2つ目は、相手を尊重できることです。精神科の看護師は患者の価値観や考えを尊重する必要があります。精神疾患を抱えている患者を否定するような発言や考え方は本人に悪影響を及ぼしかねません。患者の価値観や考え方を尊重することで、相手は自分が受け入れてもらえていると感じるため、良好な関係を築きやすくなるでしょう。

3. コミュニケーションを取るのが好き

3つ目は、コミュニケーションを取るのが好きなことです。コミュニケーションを取るのが好きという人は精神科の看護師に向いているでしょう。精神科の患者の中にはすぐに意思疎通が図れない人もいます。コミュニケーションを取るのが好きだからと言って、意思疎通が図りにくい患者に一方的に話しかける必要はないかもしれません。患者と意思疎通が図れるでまでじっくりと向き合える人が、精神科の看護師に向いているでしょう。

4. タフな精神を持っている

4つ目は、タフな精神を持っていることです。タフな精神を持っている人は精神科の看護師に向いています。精神科の患者の中には不安などから看護師に暴言を放ってしまう人もいるでしょう。人によっては暴言などによるストレスが原因で精神科の看護師を諦めてしまうかもしれません。一方、精神的にタフな人であれば、精神科の看護師として長くキャリアを積める可能性があります。

5. 没頭できる趣味を持っている

5つ目は、没頭できる趣味を持っていることです。没頭できる趣味を持っている人も精神科の看護師に向いている傾向にあります。精神的にタフであっても、患者から心ない言葉を放たれると、ストレスを感じてしまうでしょう。ストレスを感じた際に没頭できる趣味を持っていれば、仕事によるストレスを発散できます。没頭できる趣味や気分転換の方法を持ち合わせていないとストレスが溜まってしまい、仕事への意欲が低下しかねません。

6. 過度に自分を犠牲にしない

6つ目は、過度に自分を犠牲にしないことです。自分を犠牲にしてまで患者を優先してしまうと、徐々にストレスや疲労を溜めてしまう可能性があります。先述のとおり、患者やその家族と程よい距離感を保ちながら、自分を犠牲にしない人が精神科の看護師に適しています。

精神科の看護師としての4つのやりがい

精神科の看護師としての4つのやりがい

精神科の看護師としてのやりがいを紹介します。精神科の看護師としての分かりやすいやりがいは、患者の回復を目の前で感じられる点でしょう。患者の回復を感じられる点以外にも次の4つのやりがいを紹介します。

・コミュニケーションスキルが向上する
・プライベートの時間を確保しやすい
・認知症看護の経験を積める
・専門的な知識が深まる

1. コミュニケーションスキルが向上する

まず、コミュニケーションスキルの向上が挙げられます。精神科の患者は他の科に比べて患者が長期間入院する傾向にあります。じっくりと患者と向き合う時間があるため、コミュニケーションスキルの向上が期待できるでしょう。また、ミラーリングやペーシング、バックトラッキングなどの技術を駆使することも、コミュニケーションスキル向上に役立ちます。

2. プライベートの時間を確保しやすい

次に、精神科の看護師はプライベートの時間を確保しやすい点もやりがいに挙げられます。精神科の看護師は他の科よりも残業が少ない傾向にあります。 定時で帰宅できる日もあれば、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。また、精神科でも訪問介護の場合、夜勤がないため、勤務時間が不規則といったようなことは発生しにくいです。

3. 認知症看護の経験を積める

精神科の看護師として、認知症看護の経験を積めるのはやりがいにつながります。厚生労働省の資料によれば、2025年には65歳以上高齢者のうち約700万人(約20%) が認知症になると予想されています(※)。精神科の看護師として勤務することは、今後ニーズが高まるであろう認知症看護の経験を積むチャンスがあります。精神科の看護師として認知症看護の経験を積んでおけば、将来新たなキャリアに進めるかもしれません。

※参考:厚生労働省. 「認知症の人の将来推計について」. “認知症高齢者の将来推計”P2

4. 専門的な知識が深まる

精神科の看護師として勤務することで、専門的な知識が深まります。例えば、遊ぶことの効果に基づくレクリエーション療法や内科や外科と連携してケアしていくリエゾン療法といった専門的な知識の深まりが期待できるでしょう。

精神科の看護師の仕事内容

精神科の看護師の仕事内容を紹介します。精神科の看護師の仕事内容は大きく次の4つに分けられます。

・コミュニケーションを通じた心のケア
・状態の観察や判断
・与薬
・日常生活のサポート

1. コミュニケーションを通じた心のケア

1つ目は、コミュニケーションを通じた心のケアです。精神科の患者は精神疾患を患っているため、他の科よりもコミュニケーションによる心のケアが必要です。コミュニケーションを通じた心のケアは治療を続ける上で欠かせません。例えば患者によっては服薬を拒否する人もいます。そのような患者であっても、コミュニケーションを通じて信頼関係の構築を図り、服薬してくれるようなケアが必要です。

2. 状態の観察や判断

2つ目は、患者の状態の観察や判断です。患者の状態を観察して、異常を感じたらすぐに医師に伝えることも、看護師の重要な仕事です。精神科の患者の中には、自分の状態を上手に言葉で伝えられない人もいます。中には治療を受けたくないために虚偽の報告をする患者もいるかもしれません。そのため、看護師は患者の状態をしっかり観察して、判断することが求められます。

3. 与薬

3つ目は、与薬することです。精神科は薬での治療がメインです。患者の中には薬を拒否する人もいれば、過剰に飲もうとする人もいます。患者が適切に薬を摂取できるように管理するのも看護師の役割です。

4. 日常生活のサポート

4つ目は、日常生活のサポートです。精神科の看護師は患者の日常生活もサポートします。例えば、入浴介助やトイレの誘導、買い物の代行、お金の管理などが挙げられます。特に買い物の代行やお金の管理は精神科の看護師ならではの役割でしょう。なお、病院によっては看護助手が介護の補助を実施することもあります。

精神科の病棟に勤務する上で覚えておきたい4つのポイント

精神科の病棟に看護師として勤務する上では、次のポイントを覚えておきましょう。

・長期入院している患者が多い
・男性看護師が活躍する職場
・施錠ミスは重大なトラブルにつながりかねない
・残業時間が少ない傾向にある

1. 長期入院している患者が多い

まず、精神科の病棟には長期入院している患者が多い傾向にあります。厚生労働省の発表によれば、精神及び行動の障害によって入院した人の平均在院日数は294.2日 でした(※)。感染症や循環器系など、全ての疾患の平均在院日数32.3日 の約9倍もの数字です。この数字はあくまで平均であるため、中には数年にわたって入院している患者もいるでしょう。

長期入院している患者が多いため、カルテが膨大で過去の情報がすぐに見つからない可能性もあります。また、精神疾患のカルテは医師による自由記述が多い傾向にあるため、読み取るのにも時間がかかるかもしれません。

※参考:厚生労働省. 「退院患者の平均在院日数等」. “表6 傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数”P2

2. 男性看護師が活躍する職場

精神科では男性看護師が活躍しやすい職場であることもポイントです。精神科の病棟に入院している患者の中には、一時的に気持ちが不安定になり、他の患者とトラブルを起こしてしまう人もいます。このようなトラブルに対応するために、精神科では男性看護師のニーズが高い傾向にあります。他にも、夜勤に際して男性看護師を配置することをルールとして設けている病院もあるほどです。

3. 施錠ミスは重大なトラブルにつながりかねない

精神科では、施錠ミスは重大なトラブルにつながりかねないこともポイントです。精神科の病棟の中には病棟の出入り口に鍵をかける閉鎖病棟があります。精神科に勤務する看護師にとって、閉鎖病棟の出入り口や各部屋の施錠は大切な業務です。施錠を忘れてしまうと重大なトラブルにつながる恐れがあります。状況によって施錠ミスが原因で患者が外に出てしまうと事故につながりかねません。

4. 残業時間が少ない傾向にある

精神科の看護師は他の科に比べて残業時間が少ない傾向にあります。また、夜勤における休憩も確保しやすい傾向にあるとされています。特に病状が比較的安定している慢性期の病棟であれば、プライベートとのバランスを保って勤務できるでしょう。一方、急性期の場合、患者が急に暴れてしまうケースもあるため、対応しているうちに残業の発生可能性があります。

精神科の看護師として訪問看護する上で覚えておきたい3つのポイント

精神科の看護師は病棟ではなく訪問看護に従事することもあります。精神科の看護師として訪問看護にあたる際は次のようなポイントを押さえておきましょう。

・当日にキャンセルになる可能性がある
・緊急事態の対応を把握しておく
・危険予知訓練で危険を事前に防ぐ

1. 当日にキャンセルになる可能性がある

1つ目は、当日にキャンセルになる可能性があることです。精神科の訪問看護の場合、患者の状況や症状によっては当日にキャンセルになってしまう可能性があります。当日キャンセルになってしまったからと落ち込むのは避けましょう。

双極性障害をはじめとした精神疾患を抱えている患者は、気持ちの浮き沈みがあり、当日になって訪問看護がキャンセルになることもあります。精神科の訪問看護では患者の気持ちを尊重して向かい合うことが大切です。

2. 緊急事態の対応を把握しておく

2つ目は、緊急事態の対応を把握しておくことです。精神科の看護師として訪問看護で患者のもとを訪ねる場合、緊急事態の対応を把握しておきましょう。例えば患者の中には攻撃的な態度を取ってしまう人もいます。そのような患者の訪問看護を任されたのであれば、事前に退路を確認しておきましょう。また、特定の患者に限らず緊急事態になった際にどのような行動を取ればよいかを看護師同士で共有しておくことも大切です。

3. 危険予知訓練で危険を事前に防ぐ

3つ目は、危険予知訓練で危険を事前に防ぐことです。危険予知訓練とは工場や製造などで実施されている訓練です。危険予知訓練を実施することで事故を未然に防げます。危険予知訓練は訪問介護をはじめとした医療界でも実施されている状況です。

精神疾患を抱えている患者の中には、看護師や職員などの言葉に恐怖を感じて攻撃的になってしまう人もいます。そのため、危険予知訓練でどのような行動や行為が危険を及ぼすかを事前に把握して防ぐようにしましょう。

精神科の看護師に求められる4つのスキル

精神科の看護師として勤務する上では次のようなスキルが求められます。

・コミュニケーション能力
・観察力
・疾患についての理解
・忍耐力

1. コミュニケーション能力

精神科の看護師に求められるスキルとして最初に挙げられるのがコミュニケーション能力です。患者によっては意思疎通に時間を要する可能性があります。このような場合であっても相手のペースに応じたやり取りが必要です。

また、次のようなコミュニケーションを駆使できる能力も求められます。

・ミラーリング・ペーシング
・バックトラッキング

ミラーリング・ペーシング

ミラーリングは相手の行動や仕草を真似る技術です。一般的にミラーリングによって相手と同じ行動や仕草をすることで、相手の共感を呼び、距離を縮められるとされています。

ミラーリングは相手の行動や仕草を真似るのに対して、ペーシングは相手の呼吸や話し方、ペースに合わせる技術です。ペーシングは相手の波長に合わせて親近感を与えるため、距離を縮めるのに効果的です。

バックトラッキング

バックトラッキングは相手の発した言葉やキーワードなどを繰り返す技術です。バックトラッキングを用いてコミュニケーションを取ることで、相手は自分が受け入れてもらえたと感じます。また、話をしっかり聞いてもらえているというような気持ちを与えられます。

2. 観察力

次に精神科の看護師に求められるのは観察力です。観察すべきなのは患者との会話の内容だけではありません。声のトーンや身だしなみの乱れなど、いつもと違う点がないかを観察する能力が求められます。精神科では退院後の生活を見据えてサポートするため、深い観察力によって患者それぞれの状態を理解しておくことが大切です。

3. 疾患についての理解

精神科の看護師は疾患についての理解を深めておく必要があります。疾患についての理解を深めることで、患者への理解も深まります。疾患については、精神疾患の領域だけでなく、他の領域についても知識を深めましょう。例えば、悩みやストレスなどが原因の心因性疾患はアトピーのような精神科領域以外の症状が現れる可能性があります。

4. 忍耐力

また精神科の看護師として勤務する上では、忍耐力も求められます。患者の中には、気持ちの変化から心ない言葉を投げかけてくる人もいるでしょう。精神科の看護師はそのような状況が起こっても、患者と向き合える忍耐力が必要です。

精神科の看護師として勤務する3つデメリット

精神科の看護師として勤務する上では次のような3つのデメリットも事前に把握しておきましょう。

・患者の不調の影響を受ける可能性がある
・新たな看護技術に触れる機会が少ない
・患者の安全確保に神経を尖らせる必要がある

1. 患者の不調の影響を受ける可能性がある

1つ目は、患者の不調の影響を受ける可能性があることです。精神科の患者の中には、気持ちが不安定だと看護師や周囲の人に向けて思わぬ言葉を発してしまう人もいます。精神科の看護師として勤務する場合、不安定な患者の影響を受けてしまい、自分が精神的にまいってしまうケースも考えられます。

2. 新たな看護技術に触れる機会が少ない

2つ目は、新たな看護技術に触れる機会が少ないことです。精神科は手術や急患の対応が他の科に比べて少ないです。そのため、日々進歩している新たな医療技術や看護技術に触れる機会が少なくなってしまうでしょう。看護師として技術的な面でスキルアップを望む人は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

3. 患者の安全確保に神経を尖らせる必要がある

3つ目は、患者の安全確保に神経を尖らせる必要があることです。精神科の病棟に入院している患者の中には、病棟から抜け出してしまう人もいます。そのため、看護師は施設の施錠をはじめとして、患者の安全確保のために神経を尖らせる必要があります。神経を常に尖らせることに人によってはストレスを感じてしまうかもしれません。

精神科の看護師はやりがいがありプライベートの時間も確保しやすい

精神科の看護師に向いている人の特徴は相手と適切な距離感を取れる、相手を尊重できるなどです。精神科の看護師は患者から心ない言葉をかけられることもあるかもしれません。その反面、患者の回復を目の前で感じられる、コミュニケーションスキルを向上させられるなどのやりがいを感じられるでしょう。

精神科訪問看護師募集サイト「ナースセブン」では、主に「訪問看護ステーションALWAYS」で
一緒に働いてくれる仲間を募集しております。訪問看護ステーションALWAYSは、平成31年1月から発足した精神科に特化した訪問看護ステーションです。

精神科訪問看護ステーションALWAYSで一緒に働きませんか?
精神科訪問看護ステーションALWAYS(オールウェイズ)です。
精神病棟勤務経験者・訪問看護経験者を優遇します。
訪問看護経験がなくても大丈夫です。一から丁寧に指導致します。
CONTACTお問い合わせ
ナースセブンをご覧いただき精神科訪問看護について、興味を持っていただいた方は、下記よりお問い合わせください。
応募はもちろんのこと電話でのご質問にも対応いたします。
PAGE TOP