患者の家庭を訪問して看護ケアを行う訪問看護を提供する訪問看護ステーションは日本全国にありますが、日本で最も訪問看護ステーションの数が多いのは大阪府だといわれます。今回は、大阪府の訪問看護ステーションの特徴や求人の特徴、求人を見る際のチェックポイントを解説します。
大阪府内の訪問看護ステーションは、他都道府県と比較すると数そのものが多いことに加えて、訪問看護サービスの推進とサービス向上を図る取り組みが行われているのが特徴です。具体的には、以下に挙げる特徴がみられます。
大阪には、大阪府内の訪問看護ステーションを取りまとめる大阪府訪問看護ステーション協会という団体があります。この協会は大阪府の補助を受けており、大阪府内における訪問看護事業の推進を進めています。そのため、各訪問看護ステーションでは補助事業の活用が可能で、2023年においては新任訪問看護職員育成事業や規模拡大推進事業、事務職員等の雇用支援などの間接補助事業が行われています。
一般社団法人全国訪問看護事業協会が実施した令和5年度の訪問看護ステーション数の調査によれば、大阪府は全国で最も訪問看護ステーションの数が多く、令和5年度時点で、稼働中の訪問看護ステーションは1769カ所と全国1位の数です。総人口1位の東京都よりも大阪府の方が訪問看護ステーションの数が多く、しかも大小さまざまな規模と異なる特徴を持つ訪問看護ステーションがあります。そして、大阪府の訪問看護ステーションは年々増加傾向にある点も特徴です。
※参考:一般社団法人全国訪問看護事業協会.「令和5年度 訪問看護ステーション数 調査結果」
大阪府では、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据えた医療・介護連携の医療体制を充実することを目的とした地域医療構想を推進しています。そのために、地域医療介護総合確保計画が策定されました。
例として、訪問看護ステーションや介護事業所、医療機関間での情報連携による地域看護ネットワークの充実、ICTシステム導入による訪問看護ステーションの充実や医療従事者の確保、看護師の教育強化や専門的な知識や技術を持つ専任教員・実習指導者の養成などを進めています。
参考:大阪府「医療介護総合確保促進法に基づく令和4年度大阪府地域医療介護総合確保計画」
大阪府の訪問看護ステーションには、精神科の訪問介護の届け出を行っている事業所が多いことが、大阪府が実施した令和3年度の大阪府訪問看護ステーション実態調査でわかっています。この調査によれば、令和3年度時点で精神科訪問看護の届け出を行っている事業所は779件、全体の77.1%にのぼり、前年度よりもわずかに増加がみられました。
なお、介護保険・医療保険両方を合算した訪問看護の総利用者数は9万4934人、このうち精神科訪問介護を利用している人数は1万8614人にのぼります。
参考:大阪府「大阪府訪問看護ステーション実態調査 令和3年度実施結果 調査結果報告書」
大阪府では、看護師の求人率が高猪本区長です。令和3年度の大阪府訪問介護ステーション実態調査によれば、63.5%の事業所が求人を行っていると回答しています。これは、前年の令和2年度とほぼ同等の求人率でした。
令和3年度の大阪府訪問看護ステーション実態調査のWordファイルのp12を参考に記載。
参考:大阪府「大阪府訪問看護ステーション実態調査 令和3年度実施結果 調査結果報告書」
前述したように、大阪府は多くの訪問看護ステーションがあります。その分、豊富な職種や専門職が用意されているのが、大阪府の訪問看護ステーションの求人にみられる特徴です。令和3年度の大阪府訪問看護ステーション実態調査によれば、看護職の延べ人数は9618人、このうち常勤換算数は6440人です。専門職の比率は延べ職員数に対して看護師が73.4%、療法士が26.5%で、専門職の比率が高いことがわかります。
また、訪問看護ステーションの数が多いため職場の選択肢も多くなるという特徴もあります。前述の大阪府の調査によると、常勤換算5人以上の事業所が44.4%、5人未満が55.6%という割合で、大手事業所から小規模事業所まで幅広い職場を選択できるといえます。
参考:大阪府「大阪府訪問看護ステーション実態調査 令和3年度実施結果 調査結果報告書」
大阪府には多数の訪問看護ステーションがあるので、訪問看護の仕事をしたい看護師の方にとっては応募できる求人の選択肢も多いでしょう。しかし、求人の数が多かったとしても、希望に合う求人がなければ意味がありません。訪問看護ステーションの求人に応募をする際は、求人内容の確認時や面接の際に以下の3つのチェックポイントを確認しておきましょう。
訪問看護ステーションは、どのような人が利用するのかによって担当する業務や必要となる看護ケアの内容が異なります。専門知識やスキルがある看護師の方は、その経験や技術が活かせるかどうか、訪問看護ステーションの利用者について知っておきましょう。
しかし、どのような人が利用しているかどうかという点は、求人票の情報だけでは不明確です。訪問看護ステーションの面接を受ける際は、担当業務などを知るためにもどのような人がその訪問看護ステーションを利用しているかを直接質問してみることをおすすめします。
訪問看護ステーションの定休日は事業所によって異なりますが、一般的に月~金曜日のみ営業、土日祝日に休みを取っているところが多くなります。事業所による違いが大きいので、定休日はまず確認しておきたいところです。
中小規模の訪問看護ステーションの場合は時間外労働や深夜労働などが発生することもあり、24時間営業の場合は土日祝日にオンコール対応が発生することもあるでしょう。その際はオンコールの頻度や適切に時間外労働が計算されているかどうか、労務管理がしっかりしているかどうかもチェックポイントです。
訪問看護の仕事は、病院やクリニック勤務と大きく異なることが多いものです。看護経験がある方でも、訪問看護未経験では不安に感じることもあるでしょう。そのため、特に訪問看護未経験の方は入職後にきちんと研修制度が準備されているかどうか確認しておきましょう。
また、訪問看護はキャリアを積みにくいと感じる場合があるので、外部研修などキャリアップ制度が設けられているかどうかもチェックしておくべきポイントです。
訪問看護サービスを推進している大阪府では訪問看護ステーションの数が多く、規模もさまざまなので訪問看護の仕事を希望する看護師の方は選択肢が豊富です。精神科の訪問介護を行っている事業所の割合も多い大阪府内では、精神科訪問看護の仕事に携われる機会も多くあります。
精神科訪問看護師募集サイト「ナースセブン」では、主に「訪問看護ステーションALWAYS」で
一緒に働いてくれる仲間を募集しております。※現在大阪での募集はありません※